在学当時、当時の学長からマーケティング論を学んだことでマーケティングリサーチに興味を覚え、コンサルタントという職業を志望する動機に繋がったという宇夫方さん。
その第一歩は卒業二年後に勤めた会社でチェーンストアの勉強をしたことからスタート。それと並行して日本総研?東京総研でも研修。その後、習得した知識を実体験で学ぶべく、チェーンストア会社に転職を希望。当時チェーンストアの大手の多くは流通?販売。しかし「一からやってみたい」との思いが強く、その頃はまだ先行き不透明だった飲食業界を選択します。飛び込んだのは面接時まだ17店舗しかなかったすかいらーく。入社後は職務を着実に遂行し、徐々に大きな仕事が任されるほどの実力を身につけていきます。
フランスのレストラン業を勉強するために現地に一年間滞在。帰国後はレストラン?フロ表参道をオープン。年商12 億という成果を挙げます。また、大赤字だった台湾すかいらーくに出向。24店舗のうち3店舗を残して閉店し1店舗新たな店を出すという計画を立て、それを基に再建を図り、ほぼ赤字解消といえる状態に。日本に帰ってからは店舗開発部法人部担当部長として手腕を発揮しました。
やがて2001年、外食事業35年の経験を持つプロ集団として、あらゆる方面をアドバイス?サポートするフードビジネスコンサルタント、ウトナ総研の創立へ。
さらに2005年には(株)
コロワイド取締役、2009年には同社代表取締役へ(現在は退任)。
これから就職する人へのアドバイスとしてこのように語っています。
「己の技量によって報酬を得て、報酬を得ることで会社に貢献する、それが社会人。まずそれには基本的な挨拶ができるか。できないと意志の疎通が図れないし、できたとしても先に挨拶をされたのでは遅れを取り、リーダーシップを取ることはできない。それからお礼の手紙も大切。最近は書けない人が多い。その上で必要なのは、その会社に自分の何を売り込むか明確であること」。
コンサルタントは実践を伴わなければならないという持論にブレることなく有言実行し、実績を重ね大きな成功をその掌中に収めた人物が語る言葉は、すでに社会人として働いている者にも何かを気付かせてくれるようです。
◎PROFILE
盛岡市出身。1971年、経済学科卒業。76年、(株)すかいらーく入社。2001年、(株)ウトナ総研設立。2005年(株)コロワイド取締役、2009年同社代表取締役。